全国の人流オープンデータをfoliumで可視化

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これまで人流データを扱ってきましたが、地図の可視化はQGISを使ってきました。foliumというpythonのライブラリがあるのですが、なんだか難しそうな気がして手を出さずにいました。手持ちの書籍でも解説した物がなく、ネット上の情報を収集しながらチャレンジしました。

▼サービス化しました。興味のある方はどうぞ。

全国の人流データ(国土交通省)の可視化をします 人流データをインタラクティブなマップで確認

 

 

foliumを使うきっかけ

GISを仕事で使っていますが、成果品のほとんどは図面を画像データ(PDFやJPEGなど)の作成が多いため、そもそもWEB上で動く地図の必要性がありませんでした。なので、foliumの存在は知っていましたが、使う機会はありませんでした。

ある日、QGISで画像を何枚か出力しなければならないとき、python上で自動化できないかと検討しました。matplotでGISデータの可視化はできますが、QGISほど綺麗に処理できません。特に困るのが、背景に地理院タイルなどを組み合わせた際の処理方法ができない。(知識がない)

そこで検索していると、こちら(さらに記事の参照元は英語のサイト)に「foliumで可視化し、htmlで保存して、seleniumでスクリーンショットを保存する」という方法が紹介されていてやってみようと思った次第です。

ですが、foliumを使ってみるとなかなか面白く、自動化どころか、まずはいろいろいじってみようと。というわけで何度か触ってみた人流データを可視化しました。

▼以前に人流データを扱った記事です

 

情報収集

人口などを地図上に落とし込んだ図を分布図とか階級図とか、メッシュの場合はメッシュ図など身内では適当に呼んでいましたが、最近はコロプレスマップと呼ぶ機会が多いようです。書籍でもそうまとめられていました。

 

 

ということで「folium コロプレスマップ」で検索すると多くの情報が得られました。以下のページを参考にしました。

▽基本的な使い方が丁寧に解説されています

▽コロプレスマップの作り方のほか、bin(階級)の分け方を参考にしました

▽カラーバーについて参考にしました

可視化の方針「テレワーク率?」

少し前になりますが、東洋経済ONLINEで鉄道の定期旅客の減少とテレワークに関する記事がありました。(『定期券客減少率でわかる「テレワーク進んだ沿線」』2021年5月31日)記事の中で、東急電鉄の常務が定期利用客の落ち込みはテレワークの普及が関係しているのではないかと話しています。

そこで人流データをつかって首都圏における昼間人口の比較を行ってみようと思います。

人流データは年[2019年・2020年・2021年]、月[1月~12月]、日[平日、休日]、時間[昼間・深夜]別に分かれています。これらから、月ごとに平日・昼間の2019年に対する比率を可視化してみました。

 

 

結果

2019年に対する比率を4段階(0.5未満0.5以上1.0未満1.0以上1.5未満1.5以上)で表現しました。foliumのbin(階級)設定は可視化するすべての値がbinに含まれなければなりません。そのため2以上の数値は2に置き換えています。(そうしないとスケールが偏ってしまう。)この辺はpandasのmaskなどいろいろと勉強になりました。

また、郊外は増減が激しいのですが、おそらくメッシュ内の人口が少ないので、少しの変動でも前年比が大きくなってしまうのではないかと思います。

全ての月をアップロードするのは大変なので、面白そうな月のみアップロードしました。以下の地図の画像をクリックすると別のhtmlファイルに飛びますので、興味のある方はfoliumで作成したコロプレスマップに触ってみてください。

 

2020年1月

新型コロナウイルスが蔓延する前、多くのメッシュが増加傾向になっています。

出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成

 

都市部で森林や田畑、河川ではない箇所でぽつんと赤くなっている箇所は、ショッピングモールなどの新規開業であることがすぐにわかります。

【南町田グランベリーパーク】2019年11月13日開業(再開発)

 出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成

 

【テラスモール松戸】2019年10月25日開業

 出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成

 

▼サービス化しました。興味のある方はどうぞ。

全国の人流データ(国土交通省)の可視化をします 人流データをインタラクティブなマップで確認

 

2020年4月

緊急事態宣言など、騒ぎが大きくなってきたころです。都心は冷たい色に。

出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成 

 

空港や大学が立地する箇所はピンポイントで減少しています。

【羽田空港】

出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成

 

【成田空港】

出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成

 

【八景島シーパラダイス周辺】

出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成

 

【葛西臨海公園・東京ディズニーリゾート周辺】

出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成

 

【多摩動物公園・中央大学・明星大学周辺】

出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成

 

【こどもの国・日本体育大学周辺】

出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成

 

 

2021年12月

公開されている人流データの最新となります。2019年比でどうなったか?そしてテレワークは普及したのか?

出典「全国の人流オープンデータ」(国土交通省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto)および「地理院タイル」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)を加工して作成

 

まとめ

今回は全国の人流オープンデータをpythonのライブラリfoliumで可視化しました。ネット上を検索するとアニメーションで可視化している例もありました。もう少し発展した方法にチャレンジしたいと思います。

 

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