未来の地図帳をGISで図化(作業編)
前回に続き、講談社新書『未来の地図帳 人口減少日本で各地で起きること』の図化を行ってみます。
注意点の整理
コードや集計の注意点を踏まえ、以下のようなGISデータを作成しました。(さいたま市は市全体だけど、千葉市は行政区ごと、福島県は県全体など)GISデータと統計データの結合方法については割愛します。(Pythonで行っています。)
集計を修正したデータです。参考までに。(推計結果表からのデータは容量が大きいのでアップロードしていません。)
結果
先に結果をいうと、行政区ごと(都道府県・市区町村別)のデータは概ねうまくいったのですが、自治体ランキング30箇所の図化は私のパソコンがポンコツすぎて出力がうまくいかず、完成させることができませんでした。(未完成として掲載します。)
以下に作成した図を掲載します。
【折込カラー・表面】出産期の女性の減り幅
出典
- 講談社新書『未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること』を参照して作成
- 国土数値情報「行政区域データ」(国土交通省)を加工して作成
- 「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)を加工して作成
本では縮小具合を面積でも表現していますが、そこまでは私のスキルではできませんのでやっていません。色合いなどはほぼ再現できているかと思います。
【折込カラー・裏面・右側】2045年の総人口の増減率(対2015年比)
出典
- 講談社新書『未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること』を参照して作成
- 国土数値情報「行政区域データ」(国土交通省)を加工して作成
- 「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)を加工して作成
少し青が濃かったです。都道府県の枠は本よりも見やすいかと思います。
【折込カラー・裏面・左側】2045年の高齢者(65歳以上)人口の増減率(対2015年比)
出典
- 講談社新書『未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること』を参照して作成
- 国土数値情報「行政区域データ」(国土交通省)を加工して作成
- 「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)を加工して作成
こちらの色合いはほぼ再現できていると思います。
【120ページ・121ページ】2030年2045年の各都道府県の高齢者増減率
出典
- 講談社新書『未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること』を参照して作成
- 国土数値情報「行政区域データ」(国土交通省)を加工して作成
- 「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)を加工して作成
以降は白黒ページなので色は適当に配色しています。このページは簡易的な地図なので、あえてきれいな地図は要らないのですが、GISだとこんな感じです。
【172ページ・173ページ】政令指定都市20の人口変動率ランキング
出典
- 講談社新書『未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること』を参照して作成
- 国土数値情報「行政区域データ」(国土交通省)を加工して作成
- 「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)を加工して作成
以降は未完成となっています。なぜかというと、ラベル(自治体名などの文言)と引出線をillustratorで修正しようと思ったのですが、QGISのPDF出力がクラッシュしてしまうのであきらめました。おそらくパソコンのスペックが低いためでしょう・・・。
一応この図では全部のラベルを表示しています。なお、本では「政令指定都市20の人口変動率ランキング」となっているものの、19の都市しか記載されていません。誤植でしょうか?(8位の浜松市がありません。)※手元にあるのは第1刷です。
【186ページ・187ページ】80歳以上の人々が激増する自治体30
出典
- 講談社新書『未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること』を参照して作成
- 国土数値情報「行政区域データ」(国土交通省)を加工して作成
- 「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)を加工して作成
ラベルの重なりは自動設定のままなので、ごく一部のみ表示しています。こちらも誤植があるような気がします。23位が2つあるのですが、札幌市清田区が22位で横浜区緑区が23位だと思います。
【210ページ・211ページ】出産期(25歳~39歳)の女性の減少率が高い自治体30
出典
- 講談社新書『未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること』を参照して作成
- 国土数値情報「行政区域データ」(国土交通省)を加工して作成
- 「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)を加工して作成
こちらもラベルが自動設定なので一部しか表示されていませんが、ばらつきがあるせいか、結構表示されているかも知れません。
まとめ
本の折込にあるカラーページはおそらくGISで処理した結果を掲載していると思いますので、再現すれば同じようになりますが、本文の簡易的な図をあえてGISで表現する必要はありません。illustratorでプロットしてラベルを追加するのが妥当でしょう。
一方で、自分で数値を集めて図化する過程が学習になりました。これにより誤植(?)を発見することができましたので。
今回のテーマは図化の部分ですので、本自体の書評は詳しく申しませんが、内容も面白いので興味があるは読んでみてください。(自分が住んでいる自治体の記載はなんとも言えない気分になりました。)
▼似た事例として小児医療費助成の図化を行ってみました